理想的雀士と雀風

このように、『スタイル』とは状況に応じて取捨選択すべきものあり、この判断が優れている者ほど強い雀士である。これが筆者の持論だ。
さらに言えば、どのような状況下でも、常に揺らぐことなく適正な判断を下せる。これこそが理想的雀士の姿ではないか、とも考えている。


また、この判断基準の差異こそが、雀士それぞれの『雀風』であることは言うまでも無い。
その判断基準が攻撃にやや傾いていれば、押しの強さとして、速攻に傾いていれば安くとも和了の多さとして現れるだろう。
その判断基準を一意に、そして一途に貫き通してこそ「攻撃的な雀風」や「速攻型の雀風」と言えるのだ。


逆に言えば、『雀風』とはその人独自の判断基準から導き出されるもの。
その判断無く、ただ押すだけ、ただ引くだけでは「何でも押してくる人」「なんでも引くだけの人」。
それだけでは決して『雀風』には成り得ないのである。


筆者が目指すは、速度重視、かつ攻守の見切りを極めて守る時は堅固に守る「速攻堅守の雀風」である。
未だ至らぬ、長き道である。
目指す『雀風』が無いという諸兄がいたならば、今からでも己が理想とする『雀風』を追ってみるのは如何であろうか?
それは己の打ち筋の見直しと、普段の闘牌への集中力という確かな力になると思う。
何より、理想を追う麻雀というものは、苦しくも格別に楽しいものである。