『先の後』の目的

兵は拙速を聞くも、未だ巧みの久しきを睹ざるなり


 [意訳]
 不完全に焦った戦が成功した例は聞くが、
 完全を期す余り長期化した戦が成功した例は見たことが無い

手牌の三大要素を踏まえた上で、『先の後』の目的である。
先の後』は、以下2つを目的とした行為である。

  1. 和了し易く、他家との競り合いに打ち勝てる『形』を作る
  2. 『打点』を高くする

要するに『』『打点』を現状、または想定するよりも良くする事が目的なのである。


ここで大切なのは、最も重要な『速さ』の要素を忘れるべからず、ということだ。
ただ『』を、或いはただ『打点』を求める余り、他家が先に和了してしまっては元も子もない。
これは正に『巧みの久しき』。これならば『拙速』の方がまだマシである。


より良い『』を作ることが最速の和了に結びつくように。
打点』を求めつつも最速の和了が可能なように。
これこそが正しい『先の後』であり、『拙速』に勝る『巧みの速き』と言えるだろう。