手牌により価値が変わる

役牌というものの価値は、手牌によって流動します。
そしてそれは、複合する役やドラの扱いによって決まってくるのです。


やや大雑把なタイプ別にまとめると、以下のようになります。

タンピン系は価値 [小]

 三四六七②③④⑧⑧246中中


上記のようなタンピン系の手牌では、役牌の価値は極端に低くなります。


速攻であれば、役牌持ち々々の危険性が残る役牌より、クイタンを狙った方が確実です。


それにタンピンはリーチや三色が複合するので、打点という意味でも役牌は意味を持ちません。


このような手牌の場合は、

  • どうせ自分もいらないのだから、相手が重なる前に切る

で構いません。

バラバラ時の価値 [大]

 一二八九②⑦⑦468東白發中


やる気がまったく起きない上記手牌。
この場合、役牌の価値は大きくなります。


重ねて速攻?
そうではありません。


無論、他の手牌が伸びればそれも可能ですが、ちょっと手が遅すぎます。
ここでの役牌の価値は以下にあります。

  • 絞って他家を楽にさせない
  • いざという時の現物

もし他家が染め手やドラと役牌をセットで持っていた場合、役牌はその急所とあります。
早々に鳴かせて放銃でもした日には、目も当てられません。
こういう場合、絞って絞って、ノーテン覚悟で相手を楽にさせない事が肝要です。


また、他家が早い巡目でリーチに来た時、役牌は重要なオリ牌候補になります。


役牌を切って放銃すると、得点以上に「オリ打ち!」という印象が強く残ります。
しかしそれは印象の問題で、牌の組み合わせ上、役牌(字牌)で当たるという確率は数牌より低いものです。


バラバラで和了目が薄い場合は、守り優先。
それは現物を抱えるというだけではなく、他家の進行を急速に速める役牌を絞るという事も含まれるのです。

オーラストップ時の価値 [極大]

 二四六八③④⑧3577白中


オーラストップ目ということは、速攻命。
特に接戦であれば、役牌という価値が極限まで高まります。


上記はカンチャンの隙間が多いですが、一応クイタンが狙えそうです。
とは言え、ここはクイタン一本に絞らず、役牌の両天秤で進めるべきです。


役牌が重なれば、ピンズやソーズが上下に伸びた時も、端牌待ちが可能になります。
その速攻性を容易に手放すことは避けるべきです。

その他

これ以外にも、

  • ドラが固まっている時 [大]
  • 染め手が狙える時 [大]
  • タンピン手では無いが早そうな時 [中]

など、色々な場面が想定できます。
しかし、平和やタンヤオがはっきり見えている時以外は、役牌の価値は総じて高いものです。


鳴いて高打点の場合、大抵は役牌が絡んでいるもの。
役牌を巧く活かせば、守りにも攻めにも効果を発揮することでしょう。


役牌という特殊性を考えて打つと、麻雀がより一層楽しくなります。
いや、楽しいだけではなく、それは勝率にも大きく影響を及ぼすはずです。


さあ、第一打、役牌に手が掛かったそこのあなた。
もう一度手牌と相談してみませんか?(笑)




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〜「第一打に字牌は切るな」で有名な雀鬼流も、
 「役牌鳴きが絡む手は高くなるから」という背景があるとのこと。



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