東1局0本場


多井プロ 30000
雀士A 30000
雀士B 30000
かにマジン 30000


平常心

対戦に先立って、私はまず「平常心」の三字を心に刻んだ。


私は結構観戦好きで、日ごろから様々なプロの対戦卓に入って観戦している。


そこで気になるのは、一様に手が縮こまってしまう一般ユーザー達。
プロとの対戦に緊張しているのか、はたまた観戦者が多いことに萎縮しているのか。


兎に角、ちょっと気弱な闘牌が目立つ。
押すべき手を押せず、プロのリーチには徹底してオリてしまう傾向にある。


プロとの対戦。
私とて、これに特別な感情が無いかと言えば嘘になる。


しかし、である。
プロだからと言って配牌が良くなる訳では無い。
ましてや、必ず待ちが良いとか、必ず打点が高いとか言う訳では無いのだ。


無論、全ての手を押せと言う訳では無い。
しかし勝負手ならば押す。
これは相手がプロであろうと誰であろうと、絶対不変の鉄則なのだ。


常日頃から培っている押し引きをすればいい。
これがための「平常心」である。


とは言え、現役王位相手に「平常心」を保つ事は極めて難しく、これは得難い経験、貴重な体験となった。。
保ちきったとは思うが、外から見るとどうであっただろうか…。

追っかけリーチの判断

開局。タチ親は多井プロ。


主導権を握るためにも、ここで親の和了を許してはならない。
カテナチオ」と称される(?)鉄壁の守りを備える多井プロに先制された場合、逆転が厳しいのは目に見えている。


幸い手牌が内に寄り、6巡目で高目タンピン三色ドラ1のテンパイ。
ここで私は迷わずリーチに打って出た。


待ちはドラ跨ぎ。
リーチをかければまず出ないだろうが、ダマで回していても容易には出ない牌だ。
しかもダマで安目なら3900。このチャンス手をそれで終わらせる訳にはいかない。
高目安目があるなら迷わずリーチ
これが三色に対する私の考えである。


さて、多井プロの手牌だが、タンヤオのシャボ待ちをダマで回している。
私のリーチを受け、かつ絶好の 八萬 を引いてサンメンチャンテンパイ。当然追っかけリーチに出る。


多井プロ追っかけリーチ


ここでもし 八萬 を引かなかったら?
手変わり枚数が多く、かつ役有り三色目有り。きっとダマで押し続けたと思うし、私ならそうする。


追っかけリーチは勝算十分、または見返り十分の時にかける。
これが基本だからだ。

東1局0本場 結果

次巡、南家がテンパイを入れて、打 三萬 の追っかけリーチ。
これが多井プロに高目放縦。12000+1000の献上となった。


下記がその時の南家の手牌。


 三萬四萬五萬七萬八萬九萬三索四索五索三筒五筒七筒七筒


何とテンパイ者が全員三色である。


しかしすでに2件リーチ、しかも片方は親である。
如何に三色とは言え、待ちはカンチャン。かつ親リーチ宣言牌の近辺牌での追っかけリーチは、いささか危険と思われる。


2件リーチに対してさらに追っかけをかけるならば、余程待ちが良くなければ勝算は薄いと思うからだ。
現物も少ないのでオリることはできないかもしれないが、ドラ引きも考えてダマで押すという選択肢もある。


それはさて置き、開局早々多井プロに大きく先行され、当初の目論見は脆くも崩れ去った。


この点差を念頭に置き、次回からの闘牌を組み立てねばならない…。


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