捨て牌の細工 前提条件

確かに序盤で5を切ると、23や78といった「裏スジ」が浮かび上がります。


2457持ちで27を連打すれば、「間四間」が浮かび上がるでしょう。


しかし、です。
これら捨て牌の情報は、

  1. こちらが先制リーチをかける
  2. 他家が勝負してくる
  3. 勝負してくる人が、裏スジ・間四間に注意を払う

ここまでの条件が揃って、初めて意味を成すものです。


「1」の先制リーチですが、まずここに辿り着く事自体がそう頻繁にあるものではありません。
「2」は、オリる人ならばベタオリするので、裏スジ云々はそもそも関係無くなります。
「3」ですが、勝負してくる人は全部突っ張ってくる人が殆どですので、こちらも裏スジ云々はほぼ無関係です。


結果的に、裏スジや間四間は


「勝負はするけれども、裏スジ・間四間は切らずに回す」


といった、現在では希少な打ち筋の人にしか意味を成さない訳です。


このような不確定な条件に気を回すより、さっさと間四間となる「2,7」を切り飛ばす。
そして確かな「」である、安全牌を手中に抱く。


当戦略では、こちらをお勧めする次第です。

閑話 其の1

元々「裏スジ」や「間四間」といった言葉は、かなり昔の麻雀から生まれた言葉です。


この頃は、リーチに対して危険牌を押さえつつ和了に向かう、いわゆる「回し打ち」という打ち筋が主流でした。


これには捨て牌から危険牌を推理する必要があったため、このような概念が生み出されたと言えるでしょう。


しかし現在主流の打ち筋は、「オリるならベタオリ、勝負するなら全突っ張り」です。


そこには「相手の待ちを看破する」といった意識は存在しません。
当然、「裏スジ」や「間四間」を作らないように、といった労力は実を結ばない事が多い訳です。


無論、捨て牌に気を使うに越したことはありません。
しかしそれよりも、受け入れや安全牌に重きを置く方が遥かに重要という事です。

閑話 其の2

そもそも「裏スジ」や「間四間」が本当に危険牌になるか、という問題もあります。


かの「科学する麻雀(とつげき東北氏著作)」では、


 「間四間」だからと言って危険率が急上昇する訳ではない。
 他の無スジと同程度に危険なだけである。


と説いており、私も同意見です。


結果的にそうなっただけで、実際はまったく無関係な「裏スジ」「間四間」もあるでしょう。


また「裏スジ」や「間四間」で残るターツは、受け入れの広いリャンメンターツです。
ということは、テンパイまでにそこが埋まっている可能性も高い訳です。


もしこちらが逆の立場でも、「裏スジ」や「間四間」だから、という理由で勝負を避ける事はありません。


勝負手ならば全勝負。
これが基本です。

閑話 其の3

578から5を切るのは、序盤ではあまり勧められません。


裏スジ云々の問題ではなく、6を引いた時の形「5678」が良いからです。
4を引いても一応リャンメンが2つ「4578」になります。


面子候補が充分確保できていれば問題ありませんが、そうで無い場合は暫く手牌に留める事をお勧めします。