フリー麻雀ルールの相対的打法 其の2

フリー麻雀ルール』において最も重要な要素は「ご祝儀」であることは前述した。
これは当然、他の人間もそう思っていることであり、それ故に他ルールとは少々異なる打ち筋が見られる。
本項ではこれを検証する。

二枚目の役牌シャンポン待ちに注意

ご祝儀を貰うためには面前が前提。従って、『フリー麻雀ルール』では自ずと面前、特に立直が多くなる。
これは、相対的に鳴き仕掛けが少なくなることを意味する。


その最たる例が「役牌の二鳴き」である。
赤牌を一枚でも持っていれば、役牌を一鳴きすることは稀であり、戦略的にもそれが正しい。
当然、他ルールに比べて役牌のシャンポン待ちは増える訳である。
従って、役牌は極力合わせ打ちするべきだし、ベタオリで迂闊に役牌を切り出すことは避けるべきだ。

役牌の対子落としで赤牌を察知

役牌の二鳴きすらせず、その後役牌の対子落としをしてきた場合。
これは十中八九、赤牌が2枚以上手牌にあると見るべきである。
赤牌があるため鳴きを封印し、面前にかけている証拠と言えよう。


そうとなればこちらが取る手段は唯一つ。速攻でその場を流してしまうことである。
赤牌2枚3枚持ちでツモ和了されようものなら大損害なのだから。

暗槓、加槓、大明槓について

これら行為は裏ドラが増える行為であり、すでに鳴いている身としては百害あって一利なし。
他の面前者に対し、ご祝儀の機会を贈呈するようなものである。
鳴いている場合、下記条件に当てはまらない時の槓は控えるべし。

では面前時の暗槓はどうか?
良く聞くセオリーは「聴牌してから暗槓」だが、ここでは下記を推奨する。

好形の場合、聴牌してから暗槓してしまうと、リンシャンでツモ和了してしまう可能性がある。
それはそれで嬉しいことだが、暗槓で増えた裏ドラが見れないのは勿体無い。
ならばイーシャンテンで暗槓し、聴牌したら即立直するのが望ましい。
これが愚形イーシャンテンだと、暗槓したにも関わらず他家に先行される、という最悪の事態を招く恐れがある。
ならば確実に聴牌してから暗槓した方が良い。


なお、面前での大明槓は全局面において当然不可である。

赤牌前後のカンチャン待ちに注意

フリー麻雀ルール』では誰しもが赤牌を使い切ろうとするため、赤牌絡みの悪形も多く見られる。
例えば赤牌絡みの35カンチャン待ち。2を引いた場合は赤5を捨てねばならぬため、実質手変わりは6引きのみである。
となれば当然そのまま立直とくる訳だ。
フリー麻雀ルール』では46のカンチャン待ち、5のシャボ待ちがあることをご記憶されたし。

ラス確立直もあり

オーラス、ラス前などで断トツラス目の場合、ご祝儀狙いのラス確定立直をするケースもある。
支払い分の足しに、せめてご祝儀を稼ごうという訳だ。
トップを微差で争っている人間にとっては迷惑極まりないが、ご祝儀というシステムがある以上、これも致し方ない。
殆どの雀荘で認められている行為であり、マナーの面でも認められている。


実際、ご祝儀3枚オールをツモ和了すれば、それだけで殆どラスの支払い分は賄えてしまう。
5枚オールを和了し、ラスなのに儲けは一番、という異常事態も稀に発生する。

見逃しツモ狙い

極端な話、「赤牌3枚持ちの多メンチャン」が早い巡目で聴牌したならば、立直後見逃してでもツモを狙うのも一手。
特に点差が離れていない東場などで有効である。


ただし、注意すべき点が1つ。見逃しがルールとして認められているか、ということではない。
見逃しをしても許される面子・雀荘かどうかだ。


見逃し後に運良くツモった場合、他二人は本来払わなくても良いご祝儀を払う訳であり、当然面白くない。
人によっては面と向かって文句を言ってくるだろう。
飛び込みの雀荘などでは勿論、顔見知りが少ない卓では控えた方が良いだろう。
その場のマナー・礼儀は、他の何より優先するべき事である。


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