其の5 鳴きの迷いを見切るべし

先に記した通り、東南戦のご祝儀は概ね面前オンリーである。
従って、誰しもが「出来れば面前で和了したい」と思うものだ。
戦略の上でもそれが正しい。


この心理を背景として、鳴きを一瞬躊躇する、迷って鳴かない打ち手も見受けられる。
この手のモーションは、十中八九赤牌絡みと見てよい。


赤牌があるが故に鳴きたくない。
面前で仕上げてご祝儀が欲しい。
そう思うからこそ躊躇いが生まれるのだ。


また、この場合はテンパイ間近な状況が多い。
テンパイの公算が立っているからこそ、ご祝儀を取るか否かの考慮が生まれるからだ。
鳴かないならば殆どテンパイは無いが、イーシャンテンというケースは多い。


その後、面前でテンパイを果たした場合、赤牌ありである可能性が高い。


また、赤牌込みで鳴く場合などは、ご祝儀を捨ててまで鳴くのだから、ドラ絡みのマンガン級のケースが多い。


どちらにしても要警戒である。
気を付けられたし。

其の6 対人戦に耐性を持つべし

ネットもフリーも人対人である。
そういう意味では同じ対人戦とも言えるが、フリー雀荘の場合は目の前に相手が居るだけに、より対人戦の色合いが濃い。


そして、フリー雀荘には実に様々な経歴の持ち主がいる。
サラリーマン、学生、教職員、クラブのママ、寿司屋の板さん、タレント、定年退職した夫婦連れ、などなどなど。
私が普段行く雀荘だけでも、これだけの人達がいるのだ。


そして、大抵の人達はマナーがきちんとしている常識人である。
しかし、中には

  • こいつひょっとして、麻雀じゃなくて嫌がらせに来てる?

と思わず疑ってしまうような人も居る訳である。


曰く「おいおい、そんな見え見えの牌鳴かすなよ!」
(あなたはドラを含め2枚鳴かしてますが)


曰く「やっぱそれ当たりかー。見え見えだから一点で止めたよ」
ベタオリなのに?)


曰く「・・・(投げ捨て)」
(点棒はきちんと揃えて卓上に)


曰く「お〜いマスタ〜、冷たいのもう一杯〜、ヒック、ウイ〜」
(ここは飲み屋か!?)


・・・・・・。
ここまでにしておこう。
フリー雀荘のイメージを悪く持ってもらいたくないし、何より精神衛生上宜しくない。
闘牌中に冷酒を出す雀荘、というのもどうかと思うが。


繰り返すが、大抵の人達は極々普通の常識人である。
しかしそれが故に、マナーの悪い人が目立つのもまた事実、ということだ。


この手の悪癖にいちいち気にしていては、とてもではないが麻雀にならない。
けしてイラついてはいけない。


話しかけられた場合はガン無視するのも何なので、適当に相槌を打っていよう。


「流れがわりぃなぁ兄ちゃん」 「ですねー」
「おいおいそりゃリーチだろ?」 「そうですねー」
「なぁなぁ、この牌当たりだったろ?」 「いやはやなんとも」


こんな感じで、馴れてくれば会話を一発で断ち切ることが出来る。
この際、まったく目を合わさず、伏し目がちに言うのがコツだ。


また、マナーのなってない人に負けると(なんでこんな奴に!?)と熱くなりがち。
この場合でも、心を鎮め、麻雀に集中しよう。


闘牌中に麻雀以外のことを考えることは、百害以外の何者でもない。
明鏡止水、である。


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