押し引き 実戦編

下記手牌は、私のフリー闘牌時の手牌です。

  • 東一局0本場 北家 6巡目
  • 五索 は赤牌

二萬三萬四萬七萬二筒二筒七筒九筒四索五索六索七索八索 八筒

 ドラ 七萬



ドラにくっつけばピンズのカンチャンを払う予定でいた所、スポっとカンチャンが埋まり、平和赤1のテンパイとなりました。


普通ならばノータイムでドラ切りリーチです。
しかし折り悪く、直前に親リーが入っていました。


現物は雀頭二筒 だけ。親の河にソーズは一枚も見えていません。
さて、諸兄ならばどうしますか?


私はノータイムでドラ切り追っかけリーチを選択しました。
恐らくは、多くの諸兄がこう打つことでしょう。


そして、ドラを切った瞬間、周り3人は「強いねー」と言っていました。
果たしてそうでしょうか?

強気と弱気

私はカンチャンを引いた瞬間、以下の判断を下しました。

  • 打点は十分。特に赤牌があるのが大きい。
  • 3メンチャンなので、押し返した場合の成功率は高い。
  • もし放銃しても、東一局ならば挽回可能。

これだけの条件が揃えば、ドラ切りは至極当たり前です。
そこに強いも弱いもありません。


押し引きにおいて、強い・弱いという要素は果たして必要なのでしょうか?

判断の後に

結論からいうと、「強い」は必要で「弱い」は必要ありません。


先の例題では、(私の中の)押し返すための条件は整っています。
しかしドラ切りです。しかも親リーの一発目です。
恐怖心が無い訳はありません。


しかし、ドラ切りの恐怖に負けて自身の判断を無にしてしまうのは「弱い」です。
これは寸毫ほども必要ではありません。


私がノータイムでドラを切れたのは、自身の判断を信じ、それを押し通す「強い」があったからです。


押し引きにおいて、「強い」というのは、自身の判断を支える非常に重要な要素なのです。


強い意志、と言うと分かりやすいでしょう。

蛮勇・欲望を戒める意思

さて、上記と同じ状況下で、下記手牌ならばどうでしょう?

二萬三萬四萬七萬二筒二筒七筒九筒三索四索五索六索八索 八筒

 ドラ 七萬



今回は3メンチャンがカンチャンになっています。


この場合ならば、私は恐らく安全牌の雀頭落しをするでしょう。
待ちが悪く、ドラを勝負してまでで親リーに突っかかる手ではありません。


しかし実戦では、


(もしかしたら親が 七索 を掴むかもしれない)
(赤牌ありでオリるのは惜しい)


という心理が働くものです。


勿論その可能性はあります。勿体無いのも分かります。


しかし、それは願望であり、勝負するリスクの方が勝っているのは事実です。
私は、ここで押し返す事は蛮勇であり、無謀であると捉えます。


ここで引くことは「弱い」ではありません。
やはり自分の判断を貫き通す、強い意志に基く引きなのです。


強い押しは普通に聞きますが、強い引き、というものもある、ということです。