新コーナー『ロン2闘牌観戦記』
ロン2最大の売り。それは麻雀連盟プロが参戦していることである。
そして、ロン2ではその牌譜が自由に閲覧できるのだ。
この素晴らしい環境を活かし、連盟プロの方々の観戦記が書けないものか。
ふとそう思い至った。
元々筆者は人の闘牌を観戦するのが好きである。
その時の打ち手の心理、方針などを思い描き、自身の打ち筋と照らし合わせる。
これにより、自身の打ち筋を違った側面から検証することができるからだ。
プロの『一摸一打』を検証すれば、さらなる雀力アップにつながるであろう。
その過程を書き綴ってみたい。
無論、非才な我が身ではその全てを解説できるべくもないが、何某かの足しにはなるだろう。
いつの日か、打った本人からコメントが貰えれば良いなぁ、とも思う。
まあ、これは高望みに過ぎるが。
なお、プロの方々以外の打ち手に関しては、プライバシー尊重のため「雀士A・B・C」とする。
もし観戦記を見て、
- 「これ俺だよ俺! 名前出してOKよ!」
という本人のお許しがあれば、実名に差し替えたい。
まあ、牌譜を見れば一目瞭然なのだけれども(笑)。
プロの方々につきましては、麻雀振興の一助としてお名前をお貸し頂きたい。
観戦記 第一弾は多井プロ
『言霊マンボ』こと多井プロ。
言わずと知れたロン2界、いや麻雀界の若きカリスマである。
『最強最速』の信条でメジャータイトル『王位』を獲得し、今まさに最高タイトル『鳳凰位』にならんとしている多井プロの闘牌を、観戦記の第一弾としてみたい。
多井プロ 2006/02/17 1:13 其の1
テーマ1:『七対子と対々の分岐点』
テーマ2:『役牌後付』
東1局0本場
雀士A | 25000 | 親 |
多井プロ | 25000 | 子 |
パセリR | 25000 | 子 |
雀士C | 25000 | 子 |
ドラ![]()
第1ツモで上記の手牌。
対子が4つ、その内の1つが なので、『七対子』か『対々』が本線である。
何れにせよ、ドラ含みペンチャンの扱いが肝になりそうだ。
対々への見定め
2巡目で赤 を引き入れる。
『対々』としては、一番のネックになる が暗刻になった。
恐らく多井プロは、ここでこの手牌の最高形を『対々』に見定めたと思われる。
事実、3巡目に対面から出た2枚目の をノータイムで仕掛けている。
『対々』とするには1対子足りないが、 かドラを重ねるか、最悪ドラ含みペンチャン待ちの
後付でも良しとする判断だろう。
『七対子』か『対々』か。
その判断基準は、大よそ下記のようになる。
- 役牌の有無
- 鳴きやすい対子の有無
この条件で言えば『対々』を満たす手牌だ。しかし『対々』とするには対子が1つ足りない。
ここで から仕掛けたのは、『最強最速』の『最速』を表しているように見える。
ただ、これが公式戦などで字牌の絞りがきつい場ならば、 は仕掛けなかった可能性が高い。
仕掛けは の出を待ってからになっただろう。
後付の成功率は、他面子の打ち筋がダイレクトに影響するものだ。