仕掛けのタイミング
[意訳]
鷹が獲物を一撃で狩るのは、その絶妙なタイミングによる
1役を確定させる
面前は、最終的に立直をいう役が見えている。
そのため、手牌の構成自体を考えるのは重要とはいえ、とにかく塔子・面子を作れば良いという側面がある。
無論他の役も狙えれば狙うが、最悪でも立直、またはツモという1役が保障されている。
対して、鳴き仕掛けにはその保障が無い。
従って、鳴きという行為は狙った役が成就する見込みが出来た時、初めて行うべきだ。
してはいけない例としては、クイタン・三色・チャンタなどの片あがりが挙げられる。
和了できる方、という受けは鳴き仕掛けにおいて極力避けるべきである。
1頭4面子の見込み
仕掛けるタイミングとしての最低ラインは、その役が狙えそうな手牌になった時だ。
それは簡潔に言うと、1頭4面子が出来る見込みが立った時である。
がドラでこれが捨てられたりすると、たちまち飛びつきたくなるがここは我慢である。
この手牌。和了を狙うならば確かにクイタンが手っ取り早い。しかしクイタンにするにはどう見ても面子が足りない。
せめて下記手牌まで育ってから仕掛けるべきである。
これならば1頭4面子が見えているので、和了の期待も高いだろう。
1頭4面子が見えない内の見切り発車は、仕掛け倒れ、引いては放銃という最悪の結果に至る第一歩である。
急所を捌いて迷いを断つ
『愚形を捌いて好形で待つ』。
これは鳴きの、特に最終形となる鳴きの基本理念である。
本戦略では、これを一歩押し進めて考えている。
先の手牌がこのような手牌になったとしよう。 がドラの勝負手である。
ここで が出た場合チーをするか? 答えは否である。
ここで鳴いた場合、 のどこで受けるか迷いが生じる。
しかもどちらも内より数牌のカンチャンであり、さらにリャンメン変化するとタンヤオが崩れるためそれも望めない。
これは最悪の愚形と言っても良い。
ここは急所を捌いて迷いを断つ、 鳴きのみに絞るべきだ。
後に残るのが好形ならば、ツモにも期待ができるというものだ。
では、上記手牌ならばどうであろう? これならばチーして聴牌取りの一手だ。
先程と違い、チーした後はシャボ受け固定で迷いがない。
無論、先にポンしてリャンメンに受けるにこしたことはないが、どうせ の出に期待するしかないのだ。
ならばチーして聴牌を取るのは当然と言える。
鳴きの判断は、愚形が残るか否かではない。
迷いが断てるならば鳴き、迷いが残るならば鳴かない。これである。