本日の何切る?

日本麻雀機構HPから抜粋

  • 一発裏あり 赤無し
  • 東1局0本場 親番 7巡目



 三萬四萬五萬六萬八萬四筒五筒五筒六筒三索四索五索六索 五筒

 ドラ 八萬



当ブログにしては珍しく、今回は時節に乗った出題となりました。
上記は、先日開設されたばかりの『日本麻雀機構HP』からの何切る問題です。


ドラ表示牌カンチャン待ちという悪形テンパイ、三色、ソーズの好形、手牌の変化。


これらをどう捉えるか、というのが主題です。

手塚プロ式解答

同HPでは、手塚プロによる解答も併せて記されています。


同プロの解答曰く、

  • 東1局は可能な限り最高形を目指す(タンピン三色)

とのことです。


・・・。
技術的・確率的な根拠に関してはまるで触れていませんね・・・。


その他、手塚プロの考えはここを見て頂くことにしましょう。

手塚プロ式解答 検証編

さて、手塚プロは打 八萬 としました。


この打牌の長所は以下になります。

  • マンズ・ソーズで好形テンパイが見込める

確かにマンズ・ソーズともに好形です。
特にソーズにくっ付けば、和了の期待値はかなり高いでしょう。
ピンズにも、まだまだ伸びる余地がありそうです。


但し、以下の短所を考慮せねばなりません。

既に7巡目であること

私の考えでは、7巡目というのは既に中盤です。
他家がいつテンパイを入れてもおかしくない。そういう巡目です。


さらにこの手牌、 二萬四萬五萬 の3種10牌で好形テンパイ振り替わりが見込めます。


親で好形に振り替わるテンパイを崩すというのは、ちと緩手に思えます。


なんといっても、テンパイとイーシャンテンでは格段の差があるのですから。

三色確定せず

この手牌で三色を見るのであれば、456以外はありません。


345は 三筒 引きが絶対条件であり、それを引いてから345か456の選択になってしまいます。


この手牌で好形三色が確定するのは、 四萬 引きの一点のみ。
そしてこれは 三索 切りでテンパイを維持しても全然OKな訳です。

ドラ切り

確率は少ないとはいえ、ドラをポンされることも考慮に入れなければなりません。


ドラポンされた場合、緊急回避のクイタンか、あくまでもメンタンピンに拘るか、の選択になってしまいます。

かにマジン式解答

私であればここはノータイムで

  • 三索 切りのダマ

です。


理由は殆ど上に記しましたが、やはり 二萬四萬五萬 の3種10牌で好形テンパイに振り変わること。
特に 二萬 引きは、3メンチャンの上、高め三色が2種という好形っぷりです。


さらに言えば、こうすることで 八萬 引きで打 三萬四筒 引きで打 五筒 とすれば、下記のようになります。


 四萬五萬六萬八萬八萬四筒四筒五筒五筒六筒四索五索六索


タンピン三色ドラドラ、高め一盃口
ダマで出っパネ。高めツモで親倍です。


最高形というならば、これこそ最高形しょう。
無論、こんなにうまくいくことは極稀ですが、これをテンパイ維持したまま組み替えられる点が強みです。

魅せる、という意味

私は非流れ論者なので、手塚プロの解説にある

  • 自分の状態を把握する

云々には触れません。


同様に「魅せて勝つ」という意味にも、私と手塚プロでは大きな隔たりがあるようです。


私が考える「魅せる」とは、大物手を連発するような打ち手ではありません。
冷静に状況判断をし、和了できる場面でしっかり和了する打ち手にこそ、私は魅力を感じます。


同じ思いの同士が、世には多いと思います。


体勢、状態、大いに結構。
ただ近年のアマチュアは、技術的根拠を求める声が大きくなっていることも確かなのです。

総評

元々この手の話は、双方で議論を交わすからこそ意味あるものな訳で。
この場合は私の考えに対して手塚プロの考えを聞かぬことには、とてもフェアとは言えません。


回りまわって噂が耳に入り、手塚プロが反応してくれることを祈りましょう。


ということで、日本麻雀機構発足のっけから、少々手厳しい内容を書いてしまいました。


しかし、これも日本麻雀機構に寄せる期待の大きさの表れです。
HPを見て、私はこの団体の理念に大きな期待を抱いています。


麻雀界に良き新風を。
それを切に願っております。