心構え

麻雀大会には独特の雰囲気があり、平常心で望むことは難しい。
この雰囲気に流されぬよう、あらゆる事態を想定しておく必要がある。


ここでは緒戦と終盤戦の2つに分け、それぞれの対戦相手の打ち筋を見分ける方法についてを論じる。


打ち筋が分かれば、

  • リーチの掛け時
  • 鳴き仕掛けのタイミング

の方針付けが出来る。

緒戦

初戦〜第二戦位までは、まだボーダーをそれ程意識しない。
従って、全員が普段の打ち筋でトップを狙いに来る。


大会ということもあり、大抵初顔合わせだろう。
しかし、ある程度の打ち筋は予測可能。
それは大会という場と、対戦相手の面構えに現れる。


大会に出るということは、ある程度腕に覚えがあるということ。
全体的に堅く、ネット麻雀に有り勝ちな、リーチにブンブン向かってくるような打ち手は少ない。


そして面構え。ここにはその人の麻雀の本質が出ると言っていい。
少々気弱そうな青年が、いざ麻雀となると無茶苦茶強気に攻めてくる。
漫画ならば兎に角、現実ではまずありえない。


気弱そうならば守備型だし、落ち着き無くよく喋る人は焦った仕掛けが多い。
落ち着いてる人は丁寧に対応してくるし、強気そうな人はブンブン押す場面が多い。


今から対戦する人がどんな麻雀を打つのか?
開始までの待ち時間は、自分自身の打ち方を確認すると共に、これを頭の中で推し量るべきだろう。

終盤戦

終戦が迫るにつれて、各人の立場は「合格安全圏・ボーダーギリギリ・完全圏外」の3パターンに分かれる。


そうなると、その人の本質よりも、ポイント的な立場で打ち筋が決まってくる。


合格安全圏の人は堅く打ち回す。
ボーダーギリギリの人は腹を括って攻めてくる。
完全圏外の人はそれぞれだ。邪魔をしないよう静かにしている人もいれば、その回だけでもトップを取りにくる人もいる。


この立場が分かれば、「この人は親リーに突っ張ってはこないだろう」とか「この親は玉砕覚悟で攻め返してくるので愚形リーチは危険だ」とかの判断基準になる。


しかしそれぞれの持ちポイントは、本来その本人しか知りえない情報だ。
自らこの情報を対戦相手に口外することは、百害あって一利無い。
余計な口は慎むのが良い。


それでも大抵、最終戦前は対戦相手から「今どんなもんですか?」と聞かれることが多い。
少なくとも、私の記憶では聞かれなかった例は無い。


そんな時は突っぱねず、「まあトップとれれば可能性ありですかね」とか「そこそこ余裕あるんですが」という具合に暈して答えよう。
「今何ポイントだからトップ縛りで」とか「3着でも全然OKですよ」とか答える人。
正直は美徳だが、勝負師には向いていないと思われる。


これが、自分から聞いてこの類の答えが返ってくると、自分も同程度の情報は出さざるを得ない。


従って、最終戦は目を閉じ、黙って口を噤む。
そして、対戦相手同士の会話から漏れ聞こえる情報を逃さないようにしよう。


情報戦」という闘いは既にこの時点で始まっているのだ。


ちなみに自分から聞いておいて、自らは何も教えないという人。
これはさすがに人間としてどうかと思う。